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AV 引退? [英語の表現]

ある日突然、画面に We prefer to say, "AV has retired." というバナー広告が表示されるようになった。AV 引退??? 何のことかと思ったら、Anti-Virus は既に過去のもの、という意味だった。このバナー広告が表示される 2、3 日前、Next Generation Endpoint & Server Protection (次世代のエンドポイントおよびサーバー保護) という内容の記事を翻訳しており、その際の私の検索行動をロボットが見ていたらしい。今やエンドポイント保護の時代であり、Anti-Virus に頼るのは古い、と言いたいのだろう。

AV は Anti-Virus、Audio/Video、Adult Video の略とされており、どれを意味するかは文脈次第ということになる。

日本では virus を「ウィルス」と言うが、「ヴァイラス」と言った方が英語の発音に近くなる。ただし「ヴァイラス」というと日本で言う「バイアス」「バイヤス」にも近くなってしまい、ややこしい。

アナログ電気回路で「バイアス」と言えば「バイアス電圧 (bias voltage)」を指し、かつては「偏倚電圧 (へんいでんあつ)」という漢字で書かれたこともあるらしい。この場合の bias は「偏り」の意味で使われており、biased view 「偏見、偏った意見」などと同じ使い方にあたる。

私は詳しくないが、裁縫で「バイヤステープ」と呼ばれるものも bias tape だということを最近になって知った。もっとも、「バイヤス」という言い方は古いらしく、最近では「バイアス」が一般化しているらしい。生地の縦地に対し斜め45度の角度を「正バイアス」と呼ぶのだそうで、この場合も「偏り」という意味で使われている。

そう言えば日本では以前 virus を「ビールス」と言っていたが、最近は「ウィルス」と言う。「ヴァイラス」「バイラス」では言いにくいからなのか、理由は不明である。


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Exposed to は 「暴露」 ? [英語の表現]

翻訳版のネットニュースを見ていたら、気になる表現が目についた。AFPBB News「米9.11テロで活動の元消防隊員、同じ日に3人が死去」の中にある、「人々が・・・有害物質に暴露し」という表現である。原文の英語は、思ったとおり exposed to toxins だった。

「暴露」の意味は通常、「悪事・秘密などをあばいて明るみに出すこと」であり、上記のexposed to toxins の場合のように「さらされる」の意味には使わないだろう、と思っていた。手持ちの新明解国語辞典(三省堂)にも、「さらされる」の意味は出ていない。しかしgoo辞書(デジタル大辞泉)を見ると、「細菌・ウイルスや薬品などにさらすこと。また、さらされること」が出ている。コトバンク(kotobank: 大辞林第三版)にも、「直接風雨にさらされること。また,有害物質や病原菌などにさらされること」が出ている。

たしかに、化学薬品等を主な話題にしている場合であれば「有害物質に暴露し」でも問題はないかもしれない。しかし、だからといって今回の記事にも適切、とは言えないのではないか。ごく一般的には「暴露」は「あばく」であり、「さらす・曝す」の意味に使えるのは限定的な場合に限る、というのが私の感覚なのだが。

いつもは、AFPBB Newsの翻訳に違和感を抱くことはないのだが、今回は気になったので書いておくことにした。以下は原文版と翻訳版。

Three 9/11 firefighters die of cancer in one day
September 25, 2014 6:45 PM

New York (AFP) - Three New York firefighters who worked at the World Trade Center ruins after the September 11 attacks died within hours of each other from cancer, fire officials said Thursday.

Howard Bischoff and Daniel Heglund were 58, while the third firefighter, Robert Leaver, was 56.

All three men, who died Monday, had been retired since 2003.

"Losing three firefighters on the same day to WTC-related illnesses is a painful reminder that, 13 years later, we continue to pay a terrible price for the department's heroic efforts on September 11," Fire Commissioner Daniel Nigro said.

Their deaths bring the number of rescue workers who have perished from September 11-related illnesses to 92.

Tens of thousands of people, mainly emergency workers, have contracted respiratory, skin and other ailments after being exposed to toxins at Ground Zero.

The World Trade Center Health Program was set up in 2010 to treat victims.

The attacks on September 11, 2001 killed nearly 3,000 people, including 343 firefighters.

米9.11テロで活動の元消防隊員、同じ日に3人が死去
2014年 09月26日 20時22分 / 提供元:AFPBB News

【AFP=時事】2001年9月11日に発生した米同時多発テロで、ニューヨークの世界貿易センター(World Trade Center、WTC)ビルの崩壊現場で救助・復旧活動に従事した元消防隊員3人が、22日にそろってがんで死去した。米消防当局が25日、明らかにした。

 発表によると、がんのため亡くなったのは、03年に退職した元消防隊員のハワード・ビスチョフ氏(58)、ダニエル・ヘグランド(Daniel Heglund)氏(58)、ロバート・リーバー(Robert Leaver)氏(56)の3人。それぞれが死亡した時刻は、わずか数時間の差だった。

 ニューヨーク市消防局(FDNY)のダニエル・ニグロ(Daniel Nigro)総監は3人の死について、「同じ日に3人の消防隊員をWTC関連の疾患で失い、9.11テロで勇敢な活躍を果たしたこの消防局が、13年が経過した今でも多大な犠牲を払い続けていると痛感させられる」と述べた。

 救助隊員らを中心に多数の人々がWTC跡地の「グラウンド・ゼロ(Ground Zero)」で有害物質に暴露し、呼吸器系や皮膚などの病気を患っており、2010年には被害者の治療を支援する「世界貿易センター健康プログラム」が立ち上げられた。

 米同時多発テロ関連の疾患で死亡した救助関係者は、今回の3人を含めて92人に上る。

 2001年9月11日の米同時多発テロで崩壊したWTCでは、3000人近くが死亡。このうち343人が消防隊員だった。


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R の発音 [英語の表現]

何十年も前になるが、まだ英語の勉強を始めて間もない頃、ふと新聞のスポーツ欄のコラムが目に入った。

そのコラムにはレスリングのことが書いてあり、その一節に 「レスリングの 『 』 は R の発音なので、レッスリング、と言うつもりで先頭を勢いよく発音すると通じやすい」 とあった。

まだ R の発音をうまくできなかった私にとって、このヒントは非常に参考になった。

私は普段、スポーツ欄はほとんど読まないのだが、たまたま目にした記事が参考になったのは幸運だった。

日本語のラ行は英語では L に近いのであまり苦労はないが、R は難しい。この記事を読んでから、結構自然に R の発音ができるようになった。

 


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タグ:R の発音

過去形と現在完了の違い [英語の表現]

個人的な理解ながら・・・

時間の経過を表現したい場合は現在完了形。時間の経過を考えず、ある時点での事実を述べたければ過去形。

「日が昇った」 と言う場合、「ある時間をかけて日が昇った」「先ほどは昇っていなかった日が昇った」のように時間の経過を言外に含めたい場合は完了形で the sun has risen。ただ単に「昇った」「昇っていた」と言いたいなら過去形で the sun rose。

「東京に行った」 も同じで、現在までの時間の経過を言外に含めたいなら完了形で、I have been to Tokyo。単にある時点で「行った」「行っていた」と言いたいなら過去形で I went to Tokyo。

話す人、または書く人がどのような意味合いで表現したいかにより、過去形か現在完了形かが決まる。単に「・・ した」は過去、「・・ したことがある」 は現在完了、と思っては危険。

・・ ということに私が気付いたのは 40 歳半ばでした。



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Before は 「その後で・・」 [英語の表現]

これも、by は「そのために」と似た話題。

Before は「・・ の前に」が定訳とされている。ところが、実際の英文を読んでいると、逆に「・・ の後で」と訳した方が適切な場合が少なくない。

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例 1:
Trigger the destroy method that was added to the Leaker object before nulling the stored reference to it

読みにくい訳
この (保存されている) オブジェクトに対する参照を無効にする前に、Leaker オブジェクトに追加された destroy メソッドをトリガーします。

読みやすい訳
Leaker オブジェクトに追加された destroy メソッドをトリガーし、その後でこのオブジェクトに対する参照 (保存されている参照) を無効にします。

例 2:

Call a function defined in your custom method where you can do any needed processing before publishing to the controller.

読みにくい訳
カスタムメソッドで定義された関数を呼び出し、コントローラーにパブリッシュする前に、必要なすべての処理を行います。

読みやすい訳
カスタムメソッドで定義された関数を呼び出し、必要なすべての処理を行った後でコントローラーにパブリッシュします。

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英文では重要なことを前に述べ、補足事項は後に述べる、という原則を考えると、「A ... before ... B 」という文では A の方が重要であり、B は補足事項と考えるべきなので、「A をした後で B をする」という訳の方がむしろ正しいとも言える。

ただし、あくまでも文全体の論旨が優先することは言うまでもない。



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「選」と「撰」、choose と select [英語の表現]

今まで、時々目にするものの、よく意味がわからなかった漢字に「撰」がある。「選」と似ているので「撰」が旧字体、「選」が新字体かとも思ったが、部首まで違うので、そうではないらしい。

漢和辞典で調べてみたら、「選」は単なる「えらぶ」。一方、「撰」の方は「持つ、そなえる」の意味があり、さらに「えらび出す、よいものを集める」の意味がある。酒などに「特撰」「上撰」とあるのも、「えらび出す、よいものを集める」の意味合いかららしい。

この「撰」の解説を見て思ったのが、英語の choose と select の違いである。choose は単に「えらぶ」だが、select は「よいものをえらぶ」というニュアンスがある。すると、choose は「選」、select は「撰」、と考えればよいことになる。偶然かもしれないが、漢字と英語で対応するのは面白い。

ちなみにロングマン英英辞典3訂版には次のように出ている。
select: to choose something by carefully thinking about which is the best, most suitable, etc.

choose: to decide which one of a number of things, possibilities, people etc that you want because it is the best or most suitable

 



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タグ:choose Select
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Do you/Did you know? そして疑問符とスペース [英語の表現]

昨日の読売新聞にグラクソ・スミスクライン(製薬会社)の広告が出ていた。4 面の下、かなり目立つ場所である上、Do you know ? 脳卒中(リハビリ編)という大きな見出し。

「・・リハビリの方法はどんどん進歩しています。あなたは最新の情報をどれだけご存じですか」とあるので、「ご存じですか」のつもりで Do you know ? らしい。思わず苦笑い。

かつてアメリカに赴任していたとき、私も資料の見出しに Do you know ... と書いたのだった。するとすかさず、現地のアメリカ人社員に Did you know ... と書き直された。

「知っていた」なら過去形、「知っている」なら現在形、だから「知っていますか」「ご存じですか」も現在形、と思って Do you know ... としたのだが、そうではないらしい。

理屈はともかく、現実として「ご存じですか」の意味ではDid you know ... が普通、と思い知らされたのがその時だった。

もう 1 つ、上記の広告は know と ? (疑問符)の間にスペースが入っている。しかし、疑問符の前にスペースを入れてはならない。これは文末の単語とピリオドの間にスペースを入れないのと同じ。これも私自身がかつてアメリカ人に指摘された。学校のせいにするつもりはないが、なぜか日本では、「文末単語とピリオドの間はスペースなし」と教えながら、「疑問符も同じで文末単語と疑問符の間はスペースなし」という規則は強調していない気がする。

ともあれ、かつて自分自身もやらかしたミスを 2 つも思い出させる広告だった。

 

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「e メール」の複数形 [英語の表現]

かつて、mail(郵便)は不可算名詞、と習った。日本では郵便を1通、2通と数えるが、英語の場合は a piece of mail、two pieces of mail と言わなければならない。電子メールも  mail  なのだから、e-mails(emails)は誤り、のはずだった。

10 年近く前になると思うが、既に mail と言えば電子メールを指すのが当然となっていた頃なのだが、NHK ビジネス英語の講師をされていた杉田敏さんがネット上のフォーラムに質問を投げ、ネイティブの人にとって e-mails という表現は適切か、と尋ねたところ、多くの人は「おかしいと思うが、紙の郵便とは違うので許されるのかもしれない。ただし自分自身は e-mail messages などと書くようにしている」と答えた、という話を覚えている。

しかし今や「e-mails」は一般化したらしい。ただ、うすうす気付いてはいたものの、少し気を入れて読む記事の中で明確に意識することはなかった。ところが、たまたま読んだ Economist 誌の記事の中に e-mails が使われている。

どの程度使われているのだろう、と Economist.com のサイト内を検索してみると、現時点で e-mails(ハイフンあり)が2,230 件、emails(ハイフンなし)が1,010 件となっている。格調高い英語で知られる Economist 誌でも普通に使われているということは、既に目くじらを立てるような表現ではなくなっているのだろう。時代の流れを感じる。

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以下はその記事の抜粋。2014年5月10日付け  Economist 誌のコラム、Lexington より引用。標題は Hillary’s biggest test / To win the presidency, Mrs Clinton must excite people who rarely vote (ヒラリーにとって最大の課題 / 大統領となるには、クリントン夫人はめったに投票しない人々を興奮させる必要がある)とあり、次期大統領選に向けた民主党の最有力候補としてのヒラリー・クリントンについて述べている。その真ん中当たりの段落に emails が使われている。

Republicans are ready for Hillary, too. Some will remind older voters of scandals like Whitewater (involving real estate in Arkansas). But many voters have either forgotten, don’t care or were born after it happened. (Plenty remember Bill Clinton as a sort of roguish uncle who presided over an economic boom.) So Republican leaders in the House of Representatives are digging for fresh dirt, preparing a select committee to probe the 2012 killing by terrorists of America’s ambassador to Libya and three colleagues in Benghazi, near the end of Mrs Clinton’s time at State. It will be Congress’s eighth Benghazi investigation. Previous probes have faulted the government for failing to provide its envoys with adequate security. They have unearthed e-mails suggesting that officials initially sought to downplay the attack’s broader significance for Mr Obama’s Libya policies. Yet despite hours of hearings, Republicans have never found the scandal they crave: evidence that American troops or spies could have saved their colleagues in Benghazi but were told to stand down for reasons of timidity, political calculation or worse (listen to talk radio, and Mr Obama and Mrs Clinton should face treason charges). Still, in Washington, the select committee is seen as a backhanded compliment to Mrs Clinton’s importance: it allows Republicans to torment her until 2016 if needs be.

共和党もヒラリーに対する準備はできている。一部の共和党員は年配の有権者に対し、(アーカンサー州の不動産をめぐる)ホワイトウォーター事件などのスキャンダルを思い出させようとしている。しかし多くの有権者は忘れてしまっているか、気にかけないか、あるいはその事件以降に生まれている。(ごろつきのような爺さんで好況時に大統領をしていた人物、としてビル・クリントンを覚えている人が山のようにいる。)そこで下院の共和党指導者らは新たな汚点を探し出すべく、特別調査委員会を設置しようとしている。2012 年、クリントン夫人が国務長官の任期を終えようとする頃にベンガジで発生した、テロリストによる駐リビア米大使と3人の同僚の殺害事件を究明しようというのだ。米議会のベンガジ事件調査はこれで 8 度目となる。これまでの調査委員会は、大使らを守るための適切な措置をとらなかった米政府の落ち度を指摘した。政府官僚らが当初、オバマ氏の対リビア政策にとってテロリストの攻撃が重大な意味を持つにもかかわらず、それほどの問題ではないと思わせようとしていたことを示唆する e メールを見つけ出したのだ。しかし長時間にわたる聞き取り調査にもかかわらず、共和党は彼らが渇望するスキャンダルを見つけ出せずにいる。米軍や米スパイがベンガジの米大使らを救えたはずでありながら、尻込み、政治的計算またはもっと悪い何らかの理由から(ラジオのトークショーを聴く限り、オバマ氏とクリントン夫人は反逆罪に問われるはずである)、行動を控えるように指示された、と示すような証拠は見つかっていない。とはいえワシントンでは、この特別調査委員会はクリントン夫人の重要さに対する褒め殺し用と見られており、この委員会によって共和党は必要ならば 2016 年まで彼女を苦しめることができる。



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Kitchen Sink [英語の表現]

その昔、近所のアパートに米軍の家族が住んでいた。まだおっぱいを飲んでいる子がいる3人家族である。その家を何度か訪問したことがある。

ある日、その家を訪ねると、なんとその子のお尻を台所の流しで洗っている。私がぎょっとして見ていると、親の方はまったく悪びれる風もなく、「台所は暖かい。子供に寒い思いをさせずにすむ」と言うのである。

その後、職場でアメリカ人の男性出張者と雑談する機会があり、私がその話をすると、その出張者も同じことをしたと言う。彼らの間では台所の流しで子供の尻を洗うのは珍しいことではないらしい。

その後かなり経ってからアメリカに出張した際、アメリカ人技術者と一緒に手持ち材料で即席の信号ケーブルを作ったことがある。その時の彼の発言が、This is a kitchen sink cable!

尻洗いはともかく、そもそも流しに対する彼らの感覚が私達とは違うらしい。実際、辞書で kitchen sink を引くと、「何でもかんでも」という意味が出ている。上のケーブルも「何でもありのケーブル」という意味だったのだろう。

確かに、流しには泥のついた野菜を置いたり煮汁のアクを捨てたりする。きれいでないと言えばきれいではない。ただしそれは料理途中にやむを得ず発生する事態のためであり、本来は清潔な場所である。・・いうのが普通の日本人の感覚だと思うが、英語圏の人にとっては「何でもあり」の場でもあるらしい。

技術用語としても、種々雑多なコードやアプリケーションの集合として Kitchen Sink が使われているのを何度か目にしている。この場合も「何でもあり」という意味であろう。

流しを使うのは女性の場合が多いことを考えると、kitchen sink =「何でもあり」 は男の発想ではないか、と思ったこともある。しかし私が目撃した尻洗いは夫婦の共同作業(?)であり、父親が一人で勝手に流しを使っていたわけではない。つまり kitchen sink =「何でもあり」 は英語圏では男女共通の感覚ということになる。

その家族が引っ越した後、日本人家族が入居したらしい。前の入居者についての説明があったかどうかは不明。


ちなみに、先ほどの米軍家族を訪ねたときに私が初めて知った表現を以下に挙げておく。

crawl: 赤ん坊が「はいはい」する。
 He started to crawl. (男の子が)はいはいを始めた。
 水泳のクロール(泳法)も crawl
 ヘビが「はう」も crawl。例えば Snakes crawl. など。ただし crawl は leg(脚)で移動する場合に使う動詞であり、脚がない動物には slither を使う方が本来らしい(Snakes slither. など)。

nurse: 「看護婦」という名詞の他に、「赤ん坊におっぱいを飲ませる」という動詞としての意味がある。他人の前でおっぱいを飲ませなければならない状況になった場合、May I nurse him/her? (おっぱいをやってもよろしいですか)と周囲の人に断ってから飲ませるのがエチケットであるらしい。

breast milk: 「母乳」。母乳を mother milk と思ったら大間違い。そして breastfeed は 「母乳を飲ませる」「母乳で育てる」

engineer と technician
 その米軍人は technician であった。engineer と technician で何が違うのか、と私が尋ねると、彼の答えは Engineer develops, technician repairs. (エンジニアは開発し、テクニシャンは修理する)であった。

 

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Your order has shipped. そして「ら抜き」言葉 [英語の表現]

とある海外通販会社を利用しているのだが、そこからの出荷通知メールに Your order has shipped. とある。Your order has been shipped. または We shipped your order. の間違いだろう、と思っていたら、今や定着しつつある表現らしい。

ネットを検索してみると、ネイティブの間でも私と同じ違和感を持つ人が少なくないことがわかる。

Macmillanという辞書会社のサイトに以下のブログ記事がある。
http://www.macmillandictionaryblog.com/verbs-in-learners-dictionaries-part-3

その一部を訳してみると、
What is going on here? Dispatch, like ship, is usually transitive. I would expect a human agent: we have dispatched your order, or the passive your order has been dispatched. ‘We’ sounds direct and personal, while the passive, though impersonal, nevertheless implies human agency: your order has been shipped (by us). But the intransitive email messages suggest a complete absence of any human involvement or responsibility. My fancy mixed-fabric shirt, or whatever it was, apparently acted quite spontaneously and independently: it decided the time had come, so it wrapped itself in the usual impenetrable black plastic and shipped. It upped and went. It dispatched.

一体どうなっているのだろう。dispatch は ship と同様、通常は他動詞(transitive verb)。私なら人の介在を想定し、「we have dispatched your order」または受動態で「your order has been dispatched」とする。「We」は直接的で私的な響きがあり、一方受動態は直接的に誰かを指すわけではないが、それでも暗に人の介在を意味する。「(私達によって)注文品は出荷されました」のように。しかし、自動詞(intransitive verb)で書かれたeメールのメッセージは人の介在や責任が完全にゼロであることを示唆している。私の素敵な混紡シャツは、あるいは何であれそれは、どうやら非常に自発的かつ独立して行動し、時間が来たと自ら判断し、いつもの損傷防止ビニールで自分自身を包み、そして出て行ったらしい。それは出荷準備を整えて進んだ。それは出て行った。

・・・とあり、他にも他動詞を自動詞のように使う最近の例をいくつか挙げている。

こうした使い方、つまり本来他動詞であるはずの動詞を自動詞として使うことに違和感を持つ人も多いのは当然だが、逆に何が問題なのかと開き直る人が非常に多いのも現実である。意味が通じるならいいではないか、という論理である。

この、ネイティブの間での自動詞・他動詞の使い分けの議論を見ると、日本語の「ら抜き」言葉に関する議論と非常に似ている気がする。「食べれる」「見れる」はおかしい、と言う人と、意味が通じるなら構わないではないか、と言う人、かなりの昔にも「ら抜き」言葉はあったという一部識者の声などなど・・・。議論をよそに、現実として「ら抜き」言葉も定着しつつあるように見える。

「本来の使い方」はどうあれ、現実に使う人が多ければ定着し、やがて「正しい使い方」になってしまう。日本語の乱れだけでなく、ネイティブ発の「変な英語」も拡大していくのかもしれない。

 

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