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「e メール」の複数形 [英語の表現]

かつて、mail(郵便)は不可算名詞、と習った。日本では郵便を1通、2通と数えるが、英語の場合は a piece of mail、two pieces of mail と言わなければならない。電子メールも  mail  なのだから、e-mails(emails)は誤り、のはずだった。

10 年近く前になると思うが、既に mail と言えば電子メールを指すのが当然となっていた頃なのだが、NHK ビジネス英語の講師をされていた杉田敏さんがネット上のフォーラムに質問を投げ、ネイティブの人にとって e-mails という表現は適切か、と尋ねたところ、多くの人は「おかしいと思うが、紙の郵便とは違うので許されるのかもしれない。ただし自分自身は e-mail messages などと書くようにしている」と答えた、という話を覚えている。

しかし今や「e-mails」は一般化したらしい。ただ、うすうす気付いてはいたものの、少し気を入れて読む記事の中で明確に意識することはなかった。ところが、たまたま読んだ Economist 誌の記事の中に e-mails が使われている。

どの程度使われているのだろう、と Economist.com のサイト内を検索してみると、現時点で e-mails(ハイフンあり)が2,230 件、emails(ハイフンなし)が1,010 件となっている。格調高い英語で知られる Economist 誌でも普通に使われているということは、既に目くじらを立てるような表現ではなくなっているのだろう。時代の流れを感じる。

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以下はその記事の抜粋。2014年5月10日付け  Economist 誌のコラム、Lexington より引用。標題は Hillary’s biggest test / To win the presidency, Mrs Clinton must excite people who rarely vote (ヒラリーにとって最大の課題 / 大統領となるには、クリントン夫人はめったに投票しない人々を興奮させる必要がある)とあり、次期大統領選に向けた民主党の最有力候補としてのヒラリー・クリントンについて述べている。その真ん中当たりの段落に emails が使われている。

Republicans are ready for Hillary, too. Some will remind older voters of scandals like Whitewater (involving real estate in Arkansas). But many voters have either forgotten, don’t care or were born after it happened. (Plenty remember Bill Clinton as a sort of roguish uncle who presided over an economic boom.) So Republican leaders in the House of Representatives are digging for fresh dirt, preparing a select committee to probe the 2012 killing by terrorists of America’s ambassador to Libya and three colleagues in Benghazi, near the end of Mrs Clinton’s time at State. It will be Congress’s eighth Benghazi investigation. Previous probes have faulted the government for failing to provide its envoys with adequate security. They have unearthed e-mails suggesting that officials initially sought to downplay the attack’s broader significance for Mr Obama’s Libya policies. Yet despite hours of hearings, Republicans have never found the scandal they crave: evidence that American troops or spies could have saved their colleagues in Benghazi but were told to stand down for reasons of timidity, political calculation or worse (listen to talk radio, and Mr Obama and Mrs Clinton should face treason charges). Still, in Washington, the select committee is seen as a backhanded compliment to Mrs Clinton’s importance: it allows Republicans to torment her until 2016 if needs be.

共和党もヒラリーに対する準備はできている。一部の共和党員は年配の有権者に対し、(アーカンサー州の不動産をめぐる)ホワイトウォーター事件などのスキャンダルを思い出させようとしている。しかし多くの有権者は忘れてしまっているか、気にかけないか、あるいはその事件以降に生まれている。(ごろつきのような爺さんで好況時に大統領をしていた人物、としてビル・クリントンを覚えている人が山のようにいる。)そこで下院の共和党指導者らは新たな汚点を探し出すべく、特別調査委員会を設置しようとしている。2012 年、クリントン夫人が国務長官の任期を終えようとする頃にベンガジで発生した、テロリストによる駐リビア米大使と3人の同僚の殺害事件を究明しようというのだ。米議会のベンガジ事件調査はこれで 8 度目となる。これまでの調査委員会は、大使らを守るための適切な措置をとらなかった米政府の落ち度を指摘した。政府官僚らが当初、オバマ氏の対リビア政策にとってテロリストの攻撃が重大な意味を持つにもかかわらず、それほどの問題ではないと思わせようとしていたことを示唆する e メールを見つけ出したのだ。しかし長時間にわたる聞き取り調査にもかかわらず、共和党は彼らが渇望するスキャンダルを見つけ出せずにいる。米軍や米スパイがベンガジの米大使らを救えたはずでありながら、尻込み、政治的計算またはもっと悪い何らかの理由から(ラジオのトークショーを聴く限り、オバマ氏とクリントン夫人は反逆罪に問われるはずである)、行動を控えるように指示された、と示すような証拠は見つかっていない。とはいえワシントンでは、この特別調査委員会はクリントン夫人の重要さに対する褒め殺し用と見られており、この委員会によって共和党は必要ならば 2016 年まで彼女を苦しめることができる。



ホームページhttp://www002.upp.so-net.ne.jp/yt-hon/もご覧ください。

 


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